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大師堂

慈恵大師(じえいだいし)〔元三大師(がんさんだいし)〕像を安置しているのが、この大師堂です。江戸時代の大師堂は、本堂の西南(新しい手水屋の在る辺り)に東向きに建っていましたが、幕末の火災で類焼したので、本堂西の崖地を削って造成した敷地に位置を移して再建されました。

被災直後の慶応三年(1867)に、本堂をさしおいて復興されたことは、厄除元三大師がいかに多くの信者を集めていたかを物語っています。また毎年3月に行なわれる元三大師祭(だるま市)を行なうために早々に復興されたとも考えられます。いずれにしてもこの元三大師堂は本堂とならび古来より深大寺の中心的役割を果たしていた建物であると言えます。

大師堂@

大きさはもとのお堂と同じくらいで、正面柱間(はしらま)は三間、側面四間、周囲に縁をめぐらしています。内部はもとは奥一間が仏壇で、その中央に、火災を免れた厨子に慈恵大師像が安置されていました。現在、天蓋風の荘厳(しょうごん)があるところが、もとの厨子のあった位置です。

大師堂A

昭和四十九年の改造では、内部を広くするために仏壇を後退させ、厨子の部分は堂の背後に突出する建物として新築しましたが、厨子の正面は江戸時代のものをそのまま用いています。また平成元年までの数回の改造増築で、両側の政所、縁の張り出しが行われました。

− 元三慈恵大師御開帳 −

元三大師像は秘仏となっており平時に拝観することはできません。25年に一度、御開帳の行事が行なわれ一般にも公開されます。

2009年は元三慈恵大師良源の1025年目の御遠忌にあたりました。50年に一度の大遠忌の半分(25年)は中開帳といわれ、深大寺では御開帳の行事が行なわれました。次は大遠忌で2034年になります。

大師堂B

昭和40年頃の大師堂、当時は茅葺き屋根でした。